【個人山行】 
 
北ア・鹿島槍ヶ岳
 
山行期日:平成23年7月24日(日)~7月26日(火)
参加者 :いっこ(車)、mt_kawani(記)
 
行 程 :

7/24 晴/曇/雨
相模原自宅前(いっこ号)2:00==6:20~30扇沢駐車地7:00--八ッ見7:52--ケルン8:23--ガラバ10:30--種池山荘11:05~35--爺ヶ岳南峰12:30--北峰13:00--赤岩尾根分岐14:15--冷池小屋14:30-15:00幕場

7/25晴/曇/雨
幕場4:40--布引山5:40~6:00--鹿島槍ヶ岳(南峰)6:55~7:25--北峰8:05~15--南峰9:00--布引山10:05-11:05幕場撤収~小屋発12:35-爺ヶ岳14:10--種池山荘
14:50--幕営

7/26雨/曇
種池山荘5:35-8:35扇沢駐車地8:55==大町温泉9:10~10:50==大町駅前「酒の大町」立ち寄り==15:10相模原
 
 
 
緩慢な動きと蛇行で大雨をもたらした台風6号が漸く去ったが、梅雨明け直後と云うのに天気は安定する気配がない。痺れをきらして24日出発した。

登山口の駐車地は扇沢を挟んで両サイド共に満車状態であり、扇沢トロリー駅Pにするか迷ったが、大町側のロックシェッド手前の空き地に止めた。既に数台駐車していた。登山口にはハイシーズンを迎え天幕が張られて登山届の受付をしていた。係の方から昨日までは悪かったが、今日は良い天気になりましたと励まされて意気揚々と出発した。しかし、種池山荘が見える筈のケルン先からも、ガスが立ち込め終始望むことはできなかった。「八ッ見」と標識のある位置で、右上に赤テープを見て積雪期ルートの南尾根への取り付きだったな・・・と十数年前5月の連休に登った時のことを思い出して懐かしんだ。

例のガラバは未だ残っている雪面のトラバースもあった。風がなく蒸し暑い中最後は相当喘ぎながら種池山荘へ辿り着いた。出発してから4時間5分掛かった。

今回は「いっこ」と二人の山行、今後のテント泊のトレーニングも兼ねて、装備・食料は夫々各自のスタイルでいくことにした。Mt_kawaniの荷はスタート時点で14.5kg(行動水1.5?、一眼レフカメラ込み;軽量化できているのか否か?)である。もう15kgが限界かな~と思われるが、もう少し増量するとなれば、時間と行程に余裕が必要であろう。

爺ヶ岳では南峰と中峰に立ったが展望は全くなかった。ここでも、かつて残雪期に登った南尾根を俯瞰で辿り、中峰では東尾根を登った時を懐かしみ、尾根を覗きこんだ。

赤岩ノ頭から下った鞍部付近には、ウサギギク、ヨツバシオガマが咲き、エゾシオガマが群生していて、冷池小屋も直ぐそこ、疲れた身体がホッと癒された。冷池のテンバは小屋から250m(急坂、崖状の細道もあり)離れ、時間にして8分ほど上部にあってトイレがない。Mt_kawaniにとっては最悪のテンバだ!! (前回の残雪期は小屋の直ぐ近くに張れた)ビールL缶と各自水2?を購入してテンバへ向かう。到着すると生憎雨がパラついてきたので、急ぎテントを張った。

「いっこ」は、おニューのテント(プロモンテVL34;1.93kgペグ込み)だ。当方のゴアライト(2.2kgペグ込み;フライ別不持参)に比べ同じ2~3人用だが斯くも違って広い(写真参照)背も高いしフライなしのゴアより軽いときている。先日マックンのテント初おろしで天狗岳に登ったが、彼のエスパース・スパーライトもこんな感じであったなぁ~居住性は全く良いので、軽いからこの方が良いのか!しかし、強度・耐久性は如何であろうか??今日のテントは他に4張りと少なかった。

土用の丑ノ日にウナギを食べそこなったので、今夜は拘って蒲焼(真空パック)の夕食とした。アレ!「いっこ」もウナギだ! 精を付けてあすは頑張ろうでお休みした。夜は断続的に雨が続いた。朝は雨が止んで天気は良くなりそうだった。朝食は食べずに出発すると直ぐお花畑だ。コバイケソウの群落、チングルマ、アオノツガザクラ、シナノキンバイ、ミヤマキンバイ、ミヤマキンポウゲ、ハクサンイチゲと続きキヌガサソウが迎えてくれる。写真を撮りたいところだが、ここは素通りして帰りに撮ることにした。
更に、イワキキョウ、イワツメクサ、ハクサンシャクナゲ、ミヤマダイコンソウ、タカネツメクサ、タカネバラ、テガタチドリ、ミヤママンネングサ、イブキジャコウソウ、ヨツバシオガマ等々を愛でながらの登り、そして周囲のガスがはれてきて展望がよくなる。上の方でウワー、ウォーと叫ぶ声がするので顔を上げると立山・剱等が顔を出してきた。布引山では槍ヶ岳までハッキリ識別できるほどの大展望となって疲れをとんだ。そして北側の眼前に華麗な双耳峰の本命・鹿島槍ヶ岳が朝日を浴びて聳えていた。「いっこ」は歓声を挙げていたく感動していた。彼女曰く、おおらかで優しい感じの山でとてもきれいな双耳峰ですね・・と

ここから、一時間ほどで鹿島槍山頂に達し(6:55)更に展望を欲しい儘にした。「いっこ」は、北から南の尾根を見渡して後立山縦走をしたい想いに耽り、来月に予定している「剱岳」を眺めてはウットリしていた。Mt_kawaniといえば、かつて縦走した尾根や歩いた山々の往時を懐かしんでいた。殆どの縦走でない登山者は南槍で引き返すが、我々は北槍まで行くことにした。足場の悪い岩場の吊り尾根を急下降して雪田を右にみて登り返すと北峰だ。×で記した東尾根を少し下り覗き見して、あぁ~残雪期登はんに憧れていたのになぁ~残念。もう叶わないことだと悲しむが・・・当然だぞ~と納得。そろそろガスがかかりはじめ、南槍も見え隠れするようになった。

下山は花を観賞し、写真を撮りながら道草くってゆっくりと下る。テンバに降り食事・休憩してテント撤収にかかると、突然雲が垂れ込め雨が降り出した。完全雨装備したあとの冷乗越からの登りは暑くきつかったが、途中から雨は止んできて助かった。種池山荘で奮発した生ビールはやはり最高に美味かった。「いっこ」が中生ジョッキをほぼ呑み乾した程だからその格別さはお分かりであろう。今までは、M缶でさえ半分近く残していたのだから、驚くと同時に頼もしく感じた次第であります・・・(笑)

テントを張り始めるとまた落ちてきた雨は断続的に降り続き、明け方前には強く降られた。4時過ぎに小降りになったので、素早く撤収して小屋へ行くと止んだ。早朝の針ノ木・蓮華岳方面等々を眺め、雨上がりの清々しくも美しい山々、峰々に名残を惜しんで扇沢へ下山した。

恒例の大町温泉・薬師の湯で身体を癒し、大町駅前の「酒の大町」でmt_kawaniは限定原酒(20~21度)「白馬錦」を「いっこ」はバーボン樽で熟成した焼酎「帰山」を買い入れて帰宅した。
 
布引山より鹿島槍ヶ岳をのぞむ
 
 
 
布引山より針ノ木方面をのぞむ
 
 
 
ミヤマキンポウゲ
 
 
 
鹿島槍ヶ岳北峰とキレット
 
 
 
憧れの剱岳を背にご満悦
 
 
 
チシマギキョウ
 
 
 
ヨツバシオガマ
 
 
 
タカネイバラ
 
 
 
雷鳥(雄)
 
 
 
ハクサンシャクナゲ
 
 
 
キヌガサソウ
 
 
 
鹿島槍ヶ岳北峰から南峰をみる
 
 
 
シナノキンバイ
 
 
 
 
 
 
コバイケイソウ
 
 
 
チングルマ
 
 
 
柏原新道
 
 
 
鹿島槍ヶ岳をバックに
 
 
鹿島槍ヶ岳北峰から五竜岳方面を見る
 
 
 
針ノ木岳
 
 
 
冷池幕場
 
 
参考:
鹿島槍岳という名前は明治以後で、山麓の鹿島部落の名を採ったものである。しかし、それ以前、信州側では鶴ヶ岳と称したという。鶴ヶ岳は残雪の模様に因んだものである。越中側では、後立山(ごりゅうざん)という呼称があった。(深田久弥著、「日本百名山」による)
 
 
記:mt_kawani