~会山行~
北ア 焼岳
○期 日  - 2010年2月27・28日(土・日)
○参加者 - 鈴木(L)・坂本(記録)・小林(食当)・松本(装備)・江美(計画書)
○HP記録 - 江美
○行 程  - 2/27…相模原5:00~松本7:30~坂巻温泉8:30(バス9:03発~中の湯9:10着)~中の湯温泉旅館9:55~  幕場14:00~夕飯16:00~就寝21:00
2/28…起床・朝食5:00~出発6:45~焼岳9:20~幕場11:50~中の湯温泉16:30~相模原20:50
日本海側の前線の影響で天候は雨という予報でしたが当然、行く気満々です。そんな楽しみにしていたメンバーの一人、小原さんが残念ながら不参加となりますが翌朝小林さんをピックアップして下さいます。ひと通りの装備確認をして出発、運転手は松本さんです。
天候を気にする皆さんを他所に西からの回復は早く、沢渡辺りから青空が見られるようになります。道路の端に黒くなった雪、そして滝には氷はありません。
車を坂巻温泉に駐車してタイミング良く来たバスを利用して中の湯で下車します。ここから中の湯の門まで歩くと丁度1台の中の湯温泉旅館の車が停まって門を開けています。ご挨拶しながら開いた門を利用させて頂いていると優しい口調で「どこまで行くの?!乗って行くかい?!」と早速の嬉しいハプニングです。我々は揃って「本当ですか?宜しいんですか??」と小父さんのお言葉に甘えて同乗させて頂きます。体力の温存と時間の短縮に繋がったこと、深々とお礼を言って別れます。短縮された時間分は勿論 大宴会に当てられることに。(笑) 登山道までは中の温泉旅館の裏を上がります。気温も上がり歩くと予想以上に暑くなり体温調節をしながら歩きます。登山道に入ろうとしたところで坂本さん小林さん松本さんはストックを準備、私は地形図でコンパスを合わせます。木には赤いリボンがベタベタとあります。雪はまるで春の雪、歩き辛くて一歩一歩とハマります。南斜面での約200Mでは時間を要します。先頭の鈴木さんは徐々に息を上げながらも力強く皆さんを引っ張ってくれます。この後の先頭は皆で交代します。みんなで先頭を5分ずつ交代して鈴木さんに20分の休憩をしてもらおうと後ろで提案をします。先頭との交替合図は「○○さん、お時間ですよ~。」とタイムキーパーの鈴木さん。疲れないようにと配慮して下さいます。又、春雪に遊ばれてしまう小林さんと坂本さん、すっぽりと全身が空洞にハマり「直ちに救助要請!」とご本人も笑い声です。気温もテンションも高度もグングンと上がっていきます。斜面は緩やかに変化してまた少し登ってこの小さなピークが1972M地点と把握できます。そこからは今夜の最終地点、幕場までは約30分です。木々の間からは焼岳を望みながらテントの設営ですがその前にお約束のBEARを雪に埋める鈴木さん。風も無くポカポカと温かく服装は外でも1枚で充分です。リスさんも楽しそうに走り回ります。さて、テントの中では大宴会の始まりです。ビール・酒・焼酎・おつまみもたっぷりです。一方のノンアルコールカフェも開店です(エミリン)。乾いた喉を潤し贅沢な至福のひと時を静かな北アルプスで過ごします。テントは広々なエスパス・ジャンボそして貸切り状態、日も長くなり17時を過ぎても明るくお酒も入り"象さんの足やヒルを挟んだはさみ?!"などの話で一層に盛り上がり笑い声が絶えません。夕飯はカマンベールチーズ入りのお鍋です。コクが出てベーコンと白菜の相性抜群の美味しさです。翌日の英気を十分に養います。お星様を見上げながらの就寝時にはそれぞれのスタイルを見て触って聞いて装備の知識を増やします。今夜は温かいのでダウンもアウターも不要のまま、毎回ワクワクしてしまうシュラフへ潜るわたしです。ひと眠りした頃まさかの雨音で目を覚まします。朝には雪に変わっていましたが15センチ程積もっています。朝食は会でお決まりのお粥ですが今回は少々固めにして頂きます。天候は雪、ガスっています。時間をずらせば展望は望めると予測しますが予定時刻での出発です。松本さんはリボンを付けながら進んで下さいます。徐々に笹が出始め雪質も変わり2200M付近でアイゼンを装着します。最後の登り、先頭で皆さんを安全な道へと導く責任を鈴木さんが私に譲って下さいます。岩場を登りつめて雪尻に気を付けて頂上です。360度の展望は望めず鈴木さんはとても残念そうです。一方のわたしは県岳連さん主催の講習会で教わった内容を今回実際に実践出来てむしろ実り多く充実しています。「なるほど!本当だ!凄い!」などと感動があります。ピークではチーム力あるメンバーでの記念撮影が行われ満足した気持ちをお互いに確かめ合います。そして登って来たばかりの足跡がそれほど強風でも無いのに消えていることに驚きながら「リボンとコンパスと地形」を頼りに下山開始です。天候は次第に雪も霧もハレ、梓川を挟み幻の様に霞沢岳が浮かび上がります。振り返ると焼岳も青空をバックに望め一様に歓心します。
下山途中、雪崩発生を目の前で初めて目撃することになります。被害はありません。一度溶けた雪が凍ってその上に新雪が降った影響だと思われます。支持力を失った濡れざらめ雪の上を音もなく150~200M程雪崩ます。一瞬の出来事に脳裏に笛の文字が浮かびますが声が先に出ます。
幕場に到着する頃にはすっかりと天候は回復しています。テントを撤収してパッキングして日焼けをしながら下山します。折角持っている「わかん」を使おうかと迷いますがやはりズボズボとハマりながら歩きます。右前方には乗鞍岳が望めます。テント場まで約3時間半かかった道のりも下山時には約1時間で道へと出てしまいます。中の湯温泉旅館から門までは約30分、そこからは鈴木さんが車を取りに行って下さいます。フキノトウを取りながら待ちます。楽しい温泉に入ってお腹も満たします。帰宅途中の車の流れは不思議な程に順調に流れています。丸い大きなお月さまが八ヶ岳を横に眺めることも出来ます。
今回もその場に参加しなければ見えないこと、知らないままで過ごすこと又、経験出来ないことを発見出来ます。トレーニングを積み重ねて来たことも決して無駄になっていないと感じるわたしです。ありがとうございました!!!

坂巻温泉を出発

焼岳登山口までの長い道路歩き

ベタ雪に足をとられながら登る

1900m付近で1本とる

悪天候の中、出発の準備をするメンバー

深い雪もなんのその、さすが鈴さん

最後の登り、トップを行くエミちゃん

山頂だぜ~。皆さんいい顔してます

下山開始

テントを片付け、下山するメンバー