-個人山行-
阿蘇山
2009-5-6作成 服部
百名山のひとつとしてカウントされている熊本を代表する阿蘇山へ登ってきました。
期 日 平成21年5月2日(日帰り)
行 程 武蔵塚7:34=(豊肥本線)=8:49阿蘇9:05--(バス)--9:45阿蘇山西駅10:00--(阿蘇山ロープウェイ)--10:07火口西駅--火口付近駐車場10:20・・・11:35中岳山頂・・・11:55高岳山頂・・・13:20仙酔峡ロープウェイ・火口東駅・・・14:00仙酔峡駅14:30--(タクシー)--14:45宮地==(豊肥本線)==武蔵塚
参加者 服部(他1名)
 5月のGWに観光地に行くということで、百名山のひとつである阿蘇山に行った。 住んでいる熊本市内近くからであれば、車で行くのが普通らいしいが諸事情で列車で行く事にした。 列車で行く山行も久しぶりであるがなかなか楽しいものである。 武蔵塚より乗車。ここは、宮本武蔵のお墓が近くの武蔵塚公園にあります。そこからついた駅名だそうだ。 豊肥本線は、単線で待ち合わせが多い線で、阿蘇は距離的には近いのですが、なかなか近づかない。
 やがて南阿蘇鉄道との分岐となる「たての駅」に到着。ここで珍しいスウィッチバックをおこなってから、 山中の勾配へと突入。とはいうもののそれほどの急勾配ではないが・・
 阿蘇は、その昔大きな火山が大爆発した火口が現在の外輪山であったと帰りがけのタクシーの中で 知らされて、どんなにか大きな火山であったのか、その爆発はいかにすさまじいものであったのかと、 考えに走る。 外輪山と火口の間は、今は牧草地となっており、牛馬が放牧されている。飼い主の名前がわかるように 背中に記号がついているらしく、中にはメガネのマークのものもあるとバスのアナウンスで言っていた。
 ところで、バスは往復でかかる時間が異なる。なぜか登りが時間がかかるのはなぜか。
 それは、草千里の展望のよいところで写真タイムを5分間とるからだ。ものの20分ほどで草千里の展望台に到着する。遠くに山容が見えるがそれよりも広々と広がる草地に心が休まる。
 さて、ロープウェイは10:00からで、片道600円、往復ならば1000円。下りは歩いて降りようと決心し、片道のみ購入とした。GWであるが、土曜日のためか、観光客が多いわけではない。10人ほどの団体と4~5人の外国人の団体および数人の単独者しかいない。ゴンドラは大きく、余裕で乗れる。更に、あっという間に火口西駅に到着する。つるべ式ロープウェイで、縫うように自動車道も整備されている。車社会が発達している熊本では、ここでも車が幅を利かせているらしい。(歩いている人は皆無だった)
 火口西駅より火口口の見える展望ゾーンまでは目と鼻の先。「喘息持ち、心臓の悪い人・・・は火口付近の見学は禁止・・・」と張り出されているし、常に放送がされている。 あちこちにボランティア(?)の誘導員が立っている。こんなにいなくてもいいのに・・とおもったのであるが、1時間後にその必要性を認識する。
 火口を遠見に見れば、かっこよく言えばエメラルド(正直言ってクリームソーダ色)の水溜りのようなところがフツフツと沸いている状態が見える。温泉みたいなものなのかも知れない。考えていたよりも鮮やかな色でびっくりした。
 これから、火口沿いに歩いていけるならば、中岳まで行って、戻ってこようかと出発する。下山方向の駐車場から月の「静かな海」状態の火山灰(砂地)の上に設けられた木道の上を歩みだす。さえぎるものが無いので、太陽がまぶしい。木道が終わるとなんとなくついている踏み跡をたどり崖の方向に向かう。この崖を登るのか? 双眼鏡で見ても道らしきものは崖の下部分にあるだけで、上のほうにたどれない。とりあえずいくだけいくか、と崖まで歩く。近づくと先に行く者がいることを発見。道もなんとなくついているし、よく見れば、ペイントもきちんとついている。安心して登り始める。結構急登である。
 一気に高度を稼いで尾根に向かう。振り返れば草千里から遠く市内方面まで見える。尾根は、楽な天上散歩となった。家族連れもいる。残念ながら、火山であるために草木は少ない。 この頃、遠くで放送が流れる。「火山ガス濃度が基準を超えたので、火山誘導員の指示に従って直ちに避難をしてください」 えっ?と遠くに見える火口と駐車場を双眼鏡で見れば、あれだけいた観光客もお土産屋も駐車場の車もいない。サーと蜘蛛の子を散らすように消えている。なるほど、あの誘導員の必要性を強く認識したしだいである。
 やがてたどり着いた中岳は火口側に突き出た形になっている。右下は仙酔峡のロープウェイの方角だ。と、真下を見れば青い軍団が蟻の行進の様に登ってくる。GWに遠足か? あの軍団に飲み込まれては次の行動に支障がでると判断し、中岳での昼食を回避。 時間も早いので、高岳に行くことにした。30分くらいかな、と考え早速出発。
 高岳からは、更に東の方に広がる草原が見られる。これからの季節でミヤマキリシマが群生するらしい。軽く食事をして中岳に戻る仙酔尾根を下ることも考えたが、自分の年齢と足元が運動靴であるので少しでも楽そうな道を選択することにした。尚、高岳山頂で例の青い軍団が追いついてきた。中学生の様でお弁当を広げだした。騒がしくもなったので調度良い。さっさとその場を去ることにした。
 さて、中岳に向けて歩いていくと、仙酔峡のロープウェイ駅で今度は薄い水色の軍団が整列している。またまた遠足か?? 彼らとは、中岳より下山している途中ですれ違うことになった。こちらも中学生。年中行事のようだ。揃いのジャージに運動靴。足元は崩れやすい砂地で、滑りながら登ってくる。キャーキャーワーワーと元気が良い。付き添いの若い先生も必死! すれ違うたびに挨拶を交わす。相手は大人数なのでこっちはシンドイ! 中岳西稜展望所からは道も整備されている。ここまではハイヒールでもこられる様になっている。正面に中岳が構えている。観光客にもここまで来れば自然を満喫できるというものであろう。
 この道付近にも待避所がある。火山弾が噴出された際には、この中に逃げ込めということだろう。 大島に行ったときも待避所はあったが土管みたいなものであったのに対して、ここのはなかなか立派である。
 仙酔峡ロープウェイの火口東駅は、ぼろぼろで中にお店も無い。ここはそんなに危険なの?
 出口には山の神様が祭ってある。さて、ここからが一番きつかった。下り一辺倒。運動靴だから、足首で固定できていないので、つま先が靴に当たってしまう。もう一度靴紐を締めなおすも、やわらかい靴では十分に落ちていく足を支えられない。仙酔尾根に行かなくて良かった・・と改めて思う。
 仙酔峡駅には14:00頃の到着となる。公共交通機関としてのバスは無いことは知っていたが、タクシーくらいは来ているだろうと確信していたのであるが、いないのである。呼ばなければならないのだ。電話番号もわからない。ロープウェイの駅で尋ねれば、「呼んであげましょう」 と言ってくれた。この辺は非常に親切なのが熊本らしい。タクシーはすぐに来てくれて、駅まで約15分。非常に順調に降りてこれた。
 仙酔峡は、来週(5/9-10)につつじが満開になる模様。ものすごい人がやってくるとのことで、仙酔峡駅に通じる道は大渋滞で身動きできなくなるらしい。
 さて、豊肥本線に乗車に当たって、ビール(といっても第三のビールであるが・・)を飲みながら楽しかった山行を思い出しながら、楽しみながら帰るのだ。これこそ、車での山行とは違う列車で行く山行の醍醐味である!!!