記  録:高橋 日  時:平成18年6月18日~19日

メンバー:高橋・勝又

行  程:18日 相模原(車利用)==関越自動車道==水上IC==一の倉沢出合・・・テールリッジまで偵察       

19日 出合4:30・・・テールリッジ取付5:15・・・6:10南稜テラス7:00         

・・・登攀終了点9:30・・・一の倉岳12;20・・・オキの耳13:50        

・・・巌剛新道との分岐15:50・・・一の倉出合18:00

"行こか戻ろか南稜のテラス"と谷川小唄にも歌われている谷川岳一の倉沢・南稜は、一度取り付いてみたいと昨年 から計画をしていたものです。

平成18年1月より5月迄は、勝又君とトレーニング期間として広沢寺及び仕上げに三つ峠に行き本番に備えました。 本番当日は、勝又君の車で相模原9時頃に出発し、一路谷川岳に向かいました。(昨年は福田さん古閑さんと南稜 のテラスまでいき、福田さんとは1ピッチだけ登り感触を得たところです。)

14:30頃に出合に到着し、早速テントを設営し明日のためにテールリッジまで偵察をしました。積雪の状態は昨年より 多く、沢筋はすべて雪で覆われていましたので、意外と楽にテールリッジまで行くことが出来ました。テールリッジの取 り付きはかなり崩壊していて、浮石が多く登りづらそうな感じです。

 

一ノ倉沢の全景

崩壊が激しいテールリッジの取り付き

 

 

 登攀当日の天気は晴れていましたが、稜線付近は若干ガスがかかっていて上部では降られるかもしれない天気で した。テールリッジの取り付きは、やはり崩壊していて岩がぐらついている部分もあり、かなり慎重に登りました。 テールリッジ全体としては2級位の岩場だと思いますが、場所によっては3級のところもあるので、初心者を連れて いるときはロープを出したほうが良いと思います。南稜のテラスまでは約1時間30分程度で着きました。今日の南稜 は今のところ我々二人だけのようです。他人に左右されずに登れるので、緊張せずに登攀できそうです。 ゆっくりと準備をして登攀を開始したのが7時、高橋が1ピッチ目を登りチムニー下の安定したテラスでピッチをきる。 2ピッチ目は勝又が担当、6メートルのチムニーは意外と垂直で厳しい登攀です。でも勝又は難なく通過してしまっ た。私にはとてもつらいピッチだと感じたが何とか通過できました。チムニー上のテラスはしっかりしていて、ビレー ポイントもしっかりとしています。

 

南稜のテラスより1ピッチ目

2ピッチ目のチムニーを登る勝又

3ピッチ目 高度感が素晴らしい

5ピッチ目

 

 

3ピッチ目は幅の広いフェースでホールドはしっかりしているので安心。4ピッチ目は傾斜が落ちた草付をコンテで登 り、ハング下のビレーポイントに着く。 5ピッチ目はハング下のフェースを左に巻きながら上る。ホールドは豊富でしっかりとしている。15メートルほどでテ ラスに出る。 6ピッチ目はテラスから容易な岩場を少し登って右へ回り込み馬の背リッジに出る。クラック手前のビレーポイントで ピッチを切る。7ピッチ目はクラックの登りだが、カンテ状の所も登れる。(高橋はカンテを登った)最終ピッチは傾斜 の強い順層のフェースで上部はかなり立ってくる。ハーケンがたくさん打ってあるので高橋はA0で登ったが、勝又 はフリーで完登した(流石である)

 

 

 

7ピッチ目

最終ピッチの登り

登攀終了点には9:30に到着約2時間半の登攀でした。 ここからは、6ルンゼを懸垂下降で下降することも出来るが、勝又君の意見を尊重して頂上を目指しました。しかし 一の倉岳頂上までの道のりの長いこと、うんざりしました。 頂上で握手を交わして健闘を祝い、昼食を取り下山しました。 今回は天気にも恵まれ、すばらしい登攀が出来たことは、勝又君のおかげだと感謝しています。 肩の小屋から先の下山道では、ガスと雪渓のため下山道が不明瞭で若干ルートを見失いましたが、上のルートが 西黒尾根で下のルートが天神尾根でした。何とか雪渓を渡り終えてルートが出てきたときにはほっとしました。巌合 新道の分岐近くでは薄雪草も咲いていて、我々の登攀を祝ってくれているかのようでした。