丹沢 小川谷
記 録 : 川野
期 日 : 平成15年8月23日(土)
参加者 : 高橋、川野
行 程 : 玄倉バス停8:05==小川谷出会8:35==穴ノ平橋下入渓点9:10----小川谷本流9:45----ツルツ ルの大岩通過11:30----石棚の2段20m滝通過13:10----壊れた堰堤14:05----終了点14:20~14:50----林道15:45===穴ノ平橋15:50===玄倉バス停16:50

 

高橋さんの休暇が突然とれたので、前日急遽決まり実行した。帰りのバス時刻を意識してピッチが上がったのか、穴ノ平橋に1時間5分で着いた。入渓点が不明であったが、手前駐車可能な広場から踏跡を辿ってコガイ沢に降り、堰堤を鉄梯子で4箇所下って小川谷本流にでた。初めの2箇所は右、後の2箇所は左側に鉄梯子はあり結構長い。

最初の釜を持った2mの滝を難なく越えると、チョックストーンのある5mの滝に出会い、先行パーティ(男女8人)が取り付いていて待たされた。Guideには大岩の左右とも登れるとなっているが、左側は無理、右側の左手に流木が引っかかっており、水流も多い、右壁に残置スリングがあってなんとか取り付ける(これが無いと登れそうにない)。高橋さんが流木を利用して難なく突破した。川野は流木に立とうとして滑り、高さ2mをドボンした。後続組もあり、ザイルを出してもらい通過した。ゴルジュの水流は水量多く激しい、巻き道も岩場で落ちたらイヤな箇所も多く、いきなり川野がドボンしたこともあり、高橋さんが心配してザイルは出した儘歩き適宜使いながら進んだ。しかし、ゴルジュの石や石英岩質の白い岩盤は、水に磨かれて大変美しかった。
つるつるの大岩は、斜度50度、高さ10mの滑り台と言われ楽しまれているそうである。左側の残置スリングを掴んで、青苔でヌルヌルの箇所を飛び越して右に振って斜面を登った。石棚のゴルジュに入るとスケールが大きくなってきた。

水流の激しいゴルジュの滝で、高橋さんが胸まで浸かって猛牛よろしく突っ込んだ。しかし水力に圧されて3度挑戦したが叶わず、断念を余儀なくさせられた。(もう少し若ければ・・ネ?)オーバーハング気味の右壁に残置のアブミ状にしたシュリンゲが2箇所あったが腕力が必要で難しい。左壁水面より8m位の高さに残置ハーケンとシュリンゲがあったので、それを利用して乗越すことにした。高橋さんがリードして登ったあと、川野のビレイで降りてまた次ぎの滝を登った。川野は登りきってザイルを切り替え懸垂下降(垂直)してザイルを回収したが、ここは些か緊張した.。そして、その上部では深い釜に入り胸近くまで浸かって、ザックの浮力で荷が軽く泳ぐようになることもあった。ハイライトの石棚2段20mの滝は左を高巻いたが、30mと高度差があるのでザイルを出し、Guideを参考にして、落ち口直ぐ上を避けてもう少しトラバースして沢床へ安全に降りた。5mトイ状の滝は、右側の直登は難しそうなので左を巻きぎみに登った。すると直ぐ左側が壊れた堰堤で、ここを通過すると開けたゴーロとなり、右に東沢を見送って次ぎの堰堤を左側から登ると広い河原となって遡行を終えた。最後の堰堤を越えて直ぐ左へ踏み後を登って行くと、はっきりした登山道となった。直ぐ涸れ沢が大きくザレた箇所の通過があり、トラロープが張られていたが30m位ある急斜面のトラバースで慎重に渡った。その後も沢を横切る個所はザレが多く注意が必要であった。道は要所にテープやケルンがあったので迷うことは無かった。「丹沢とは思えないほどのダイナミックな水量、白く美しい石英閃緑岩で構成されたゴルジュ、それに適度な滝の登攀、思いのほか明るい雰囲気で、夏の暑い時期にはブルーがかった流水の中に思いっきり浸かることができて楽しめる」とGuide bookに表現されている如く素晴らしい沢であった。一箇所斜度のある岩に取り付いていたら、薄紫の花びらが眼の前50cmほどに突然飛び込んできた、よく見るとイワタバコの花だ!・・こんな一場面もあって嬉しかったが楽しむ余裕はなかった。私の丹沢での経験では過去に無かった谷の広さ、明るさ、水量の多さ(これだけの水量であれば、きっと危険だから止めようとしたほどの)ゴルジュの美しさ、滝も良い、そんな小川谷に感動した。まだ見ぬ黒部川の「上の廊下」や「赤木沢」に思いを馳せながら、林道を玄倉バス停まで歩いた。