冬合宿 北八ヶ岳・天狗岳

記 録: 月野
期 間: 平成15年12月20日(土)~12月21日(日)
参加者: 川野、下河内、嶋村、月野、坂本、小林
行 程:  12/20 JR八王子6:34###JR茅野9:40==(タクシー)==渋の湯10:45---唐沢鉱泉分岐11:22---15:00黒百合平
12/21 黒百合平7:00---天狗岳9:00---黒百合平11:17---唐沢鉱泉分岐12:25---渋の湯13:45==(タクシー)==JR茅野15:14###JR八王子

 

昨年の会山行では大雪となり、残念ながら渋の湯に向かう途中 で引き返しましたが、今回は曇りから晴れに向かうとの予報で期待が持てます。それでも、山梨に入る頃から雪がちらつき出し、茅野駅に着いた頃にはすっかり 降り出しました。でも、雪はそれほど強い降りかたではなく、タクシーの運転手さんの話によれば怠けた降り方だそう です。渋の湯に着いた頃には20センチ前後は積もっており、少し風が出てきました。渋御殿湯の玄関先をお借りして、滞りなく準備を済ませてから出発しまし た。

 

積雪はそれ程でもなく、アイゼンを付けずに歩き始めました。登り始めの道には20センチ程の雪が積もっておりますが、所々では枯葉や木の根が露出していました。もっと雪の量が増えると、夏道がすっかり雪で覆われてしまいますが、今日のところは木の根や岩が時々靴に触れますから、滑らないように注意して歩きます。雪はこの数日前に降ったばかりと見え、シラビソの木には雪が積もっており、クリスマスツリーのようです。中々スピードが上がらない人もおり、ゆっくりペースの登りとなりましたが、リーダーから休みながらゆっくりとの指示があり、こまめの休憩を挟み黒百合平を目指しました。渋の湯で降っていた雪もやんだようで、空も少し明るくなってきました。唐沢鉱泉の分岐あたりに差し掛かると、積もった雪は30センチほどになっていました。既に先を歩く人が居るようで、トレースは付いていますから、歩くのが楽です。
分岐で少し長めの休憩を取り、行動食をお腹に詰め込んでいると、さすがに冷え込んできて、手足も冷たくなってきます。坂本さんはかなり寒そう。皆で元気付け、再び黒百合平を目指しました。午後3時に黒百合平到着。黒百合ヒュッテの玄関横に下げてある温度計はマイナス15度になっています。小屋周辺の積雪は30センチ前後と思われます

 

テント場は風が一寸ありますが、二つ並べて張れる場所を決め、雪を平らに踏みしめてからテントを設営し、無事設営完了。外は寒くても、皆でテントの中に入り、夕食の準備に取り掛かると、テントの中は暖かい。水場は凍り付いているため、雪を溶かしての水作りから。雪は降ったばかりですから、テント周りの近いところが使えそうです。今夜のメニューは、坂本さんと小林さんによる豚肉のしょうが焼き。たくさん準備したと言われる通り、食べても食べても次から次へと出てきます。お蔭様で、お湯を入れておいた五目御飯は半分くらい残ってしまいました。食事も済み、シュラフに潜り込んだのは9時半頃でした。

 

一夜明けて、今日は快晴になりそうです。昨夜は 風が一晩中吹き、雪もそれほど激しくはないけど、明け方まで粉雪が降っていたようです。目が覚めて、はずしておいた腕時計の温度計を見ると、マイナス 5.7度を示していましたスープにロールパンの朝食を済ませて、出発の準備に取り掛かりました。
凍っていることも考えられるため、全員アイゼンを装着して万全の体制です。黒百 合ヒュッテの北側にある中山の山頂に朝日が差し出し、素晴らしいお天気です。中山峠に近い樹林帯で、朝日が木の上の雪に当たり、幻想の世界のようです。中 山峠から尾根通しに出ると強い風が吹きつけ、頬や鼻の頭がちぎれそうに痛く感じ、目出し帽をかぶりました。雪があまり深くないため、露出しているハイマツ を踏みつけて歩かなければならないため、足を取られないように注意が必要です。しばらく尾根を歩いてからは、西に回り込み頂上に取り付きます。幸いに凍り 付いている所も無く、降ったばかりの雪を踏みしめて頂上に立ちました。頂上からは、さえぎるものも無く360度の展望が雄大に広がっています。鳳凰三山か ら南アルプス、北アルプスから穂高、その先には立山連峰、東に眼を転ずれば浅間山から上越の山々が見渡せます。寒さも忘れて暫しの展望を楽しみ、記念写真 を撮ってから下山にかかりました。夏には山頂に大勢の人が居ますが、今日は5人前後の人が居るだけです。途中では時々人とすれ違いますが、寒いためあまり 山頂には留まらず、すぐに降りてきてしまうようです。
黒百合平に戻り、テントの撤収と荷物の整理、皆元気に渋の湯を目指しました。何 事も無く皆さんは快調に下り、無事に渋の湯に到着しました。なんと、客待ちのタクシーが一台待機しており、気持ちの良い運転手さんは快く6人を乗せて茅野 駅へ向かってくれました。道路の雪も溶け出し、暖かい日差しがタクシーの窓から差し込んできました。
上りの電車の中で、ビールで乾杯、反省会を行いました。雪山では重たい荷物を背 負い、皆の足を引っ張らないように歩く日頃の訓練と、荷物を上手にパッキングする技術と持ち物の選び方。寒い山では、着るものを上手に脱いだり着たりする ことの重要さも今回は学びました。歩き出すと結構暑くなり、汗も出てきますが、休憩などで止まると思ったより体が冷えてくることも体験しました。これから も、力に応じた雪山を更に体験したいという意見も出てきました。
皆さん、無事で元気に今年の会山行を終了し、お疲れ様でした。